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『WEC41』を観た

少し遅れたが、WECとSTRIKEFORCEのテレビ放送分を観ることができた。
簡単な感想を記しておきたいと思う。

adsfdfsa.jpgまず、『WEC41』。ヴァーサスTVで制作・放送されているWECの映像は、基本的にはUFCとさほど手法や方法論は変わらないが、中継のモチーフとなっているのはトライバルなタトゥーとメタリックな音楽。個人的にはUFCよりも好き。今回は大会場に多くの人が詰めかけている様子が映し出されていて、スケール感も増していてスポーツ中継としての醍醐味も向上しているように見えた。解説に登場したケニー・フロリアンも単にダナ・ホワイトに気に入られているだけでなく、饒舌な解説は安定感バッチリ。

試合のクオリティという点でも、WECの中継はUFCと比べるとその平均点は高い。UFCにはGSPやLYOTO、アンデウソン、BJペン、ブロックレスナーといった各階級のモンスター級のチャンピオンは、どの試合でもダイナミックでハイレベルな試合を見せてくれるが、UFCのテレビマッチでは時折、迫力重視のメガトンマッチが唐突に組まれているが、正直言って大男のドつき合いは観ていて楽しくはあるが、格闘技マニアにとっては大味でレベルの低い試合であるとも感じられる。

だが、WECにはそういう試合のクオリティのバラつきが少ない。階級が軽いだけに、総じて全選手の細かなテクニックの濃縮具合が違うのだ。しかも、WECにもミゲール・トーレスや、マイク・ブラウンといった常人離れした王者も生まれ始めているので、そういった点でもWECの中継はもっと日本の格闘技ファンに観てもらいたい番組である。

■フェザー級5分3R
○ ジョン・グリスピ[1R ギロチンチョーク]ジェンズ・パルヴァー ×
北米MMAシーンにおいて、技と技のキワで非常に重要な技となっているギロチンチョークが見事に極まった試合。テイクダウンに行ったのはパルヴァーだったが、僕にはパルヴァーがそうした流れについていけていないように思えた。UFC/WECを支えてきたベテランのパルヴァーはWECの会場でも大きな声援を浴びていたが、そんなパルヴァーを取り残し、良さをまったく消してしまうほど、現在のMMAの流れは速い。

■ライト級5分3R
○ ドナルド・セローニ[1R チョーク]ジェームス・クラウス ×
WECデビューのクラウスを百戦錬磨のセローニが一蹴。セローニの格が違いを見せつけて圧勝。キックボクシングで29戦28勝無敗のレコードを持ちつつ、MMAでの極め技はすべてサブミッションというセローニは、GSP、ラシャド・エヴァンスを育てた名トレーナーのグレッグ・ジャクソンのチームの一員。グラウンドのタイプ的には青木真也選手と近いものがあるが、グラウンドでは下から多彩なラバーガード、三角、オモプラッタ、腕十字、ペダラーダを繰り出すなど、じつに多種多彩。『WEC43』(日時未定)ですでに決定しているジェイミー・ヴァーナーとのリマッチが非常に楽しみ。日本のDREAMや『戦極』のライト級トップファイターとの試合が見たくなる好選手。

■バンタム級5分3R
○ アントニオ・バンヌエロス[3R終了 判定2-1]スコット・ジョーゲンセン ×
じつに不可解な判定。3Rを通してずっとジョーゲンセンがプレッシャーを与え、試合を支配していたと思うのだが……。WEC/UFCにも理解不能な判定はある。判定を発表したあとの観客は大ブーイング。だが、その部分はテレビ中継で即カット。バンタム級でこれほど獰猛な打撃を繰り出せるジョーゲンセンは逸材だと思う。

■フェザー級5分3R
○ ホゼ・アルド[1R KO]カブ・スワンソン ×
跳びヒザ蹴りでわずか8秒のKO勝利劇。ホゼの強さ爆発。コイツは本物だ。同門のマルロン・サンドロといい、ノヴァ・ウニオンのフェザー級の選手の充実ぶりは凄い。WECで鉄壁の強さを見せるマイク・ブラウンとどんな試合をするか早く観てみたい。

■バンタム級5分3R
○ セス・ディークン[1R 三角絞め]ロナルド・ペレス ×
誰だ? アメリカのMMAはキックボクシング化していてサブミッションでの決着が少ないって? この試合ではディークンが芸術的な跳びつき三角絞めを試み、徐々にペレスを締め上げて勝利。こういうアグレッシブな選手は主催者にとってもありがたい存在だろう。

■ライト級5分3R
○ アンソニー・ペティス[1R ギロチン]マイク・キャンペル ×
ペティスはテイクダウンされ際のギロチンを披露し、テイクダウンされても下から足を効かせたガードワークから一気に三角絞めを極めるなど、なかなかのテクニシャン。今後が楽しみな選手だ。

■フェザー級タイトルマッチ5分5R
○ マイク・ブラン[5R終了 判定3-0]ユライヤ・フェイバー ×
ブラウンが終始、安定した強さを発揮してタイトルを防衛。ブラウンの安定感とタフさはちょっと異常。グラウンドで必ず首から、というかギロチンを極めに行くのが印象的だった。たぶん、トライして失敗しても悪いポジションにはならないという自信のある攻め方なんだろう。フェイバーは早くから拳を痛めたとのことだが、それがなくてもやはり負けていたと思う。前回のブラウンとの試合は、フェイバーがバタバタとして、自分で金網のリバウンドをつけてブラウンのパンチに飛び込んでいった“一人カウンター”状態だったが、今回は地力の差がはっきり現われてしまった。

極端な半身からアンオーソドックスなフェイバーの打撃はブラウンに完全に読まれていたし、ブラウンはパンチに対する距離の取り方も優れていた。グラウンドではフェイバーが有利になる場面はほとんどなく、内容的にはブラウンの圧勝。ブラウンはまったくと言っていいほどキックを出さないタイプだが、それが逆に闘い方に安定感を生んでいるのかもしれない。とにかく堅実で穴のない王者だ。期待されるホゼ・アルドとの試合でアルドがどれだけその牙城を崩せるのか、非常に楽しみだ。

KIDはブランク明けの試合だったが、それほど状態が悪かったようには見えなかったし、フェイバーも衰えたわけではない。新世代のMMAファイターの技術レベルがドンドン上がっているということだろう。

STRIKEFORCEについてはまたのちほど。
 

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